機械仕掛けの音楽劇場。
今週末は東京でデザインフェスタが開催されていますね。
Twitterを見てると知り合いの皆さんがたくさん見に行かれているようでちょっと羨ましい。。。秋は見に行きたいな…。
今日は久しぶりに眩しいくらいの快晴のお休みになったので、淡路島までドライブに行ってきました。ここの植物園が大好きで、ここを見るためだけに淡路島に定期的に通っています。
花よりもサボテンとかツタとか温室の鉄骨とか石畳とかが好きなので、あまり正面からの観光っぽいのを全然撮ってなかった。。。
今はちょうど薔薇の時期なのでローズガーデンのイベントが開催されていたけど、まだ五分咲きくらいかなという感じ。ちょっと残念。それでも十分堪能して満足。やっぱりここは大好きです。
ー で。
帰り際、オルゴールの展示会をやっているということだったので、話のネタがてらに立ち寄ってみました。これが予想以上に面白かった!
かなり有名なコレクターの方が所有しているアンティークオルゴールがたくさん展示されていて、規模は小さいけれど独特の空気が漂う空間。
オルゴールを実際に動かすイベントの時間から外れていたうえに、自分たちしかお客さんがいなかったのでサラッと見て終わる感じになりそうかな…と思っていたら、スタッフさんがマンツーマン状態でものすごく丁寧に説明をしてくださって、本当は定時制でしか行っていない大型オルゴールの実演奏を目と鼻の先で聴かせていただけることに! 製造国や用途、駆動形式が違う大型機の音色をいくつも試聴させていただいて、終始興奮しっぱなしでした。
普段聴くオルゴールといえば、病院のBGMとかで流れてるオルゴールアレンジCDとか、お土産物屋で売ってる量産オルゴールをイメージしてしまうのでなんかしょぼい…って思ってしまうんだけど、本物の手作りのオルゴールは当然ながら全く別次元。金属なのにとても温かくて、芳醇で、とんでもない密度で空間を支配していく強烈な存在感を持った音でした。現在主流になっている筒状のリールが回るタイプと、円盤の表面に凹凸がつけられた円盤タイプで全く音が違う。金属の材質や、反響を生み出す箱の材質、本体の大きさでも全く違う音になるだろうから、ほんと同じものは2つと存在しない楽器なんだということを改めて感じたような気がします。
そして何より、佇まいが美しい。機械として機能美が追及されたどこまでも無機的な存在なのに、一つ一つに命が宿って生きているみたいで、気安く触れないようなオーラを醸し出してる。
当時の貴族が好んでいたであろう奇抜さや豪華絢爛の時代性で括ることのできない、職人の気遣いやの遊び心が凝縮された一つの空間としての魂がそこにあるのかもしれないですね。
印象的だったのが、オートマタ。
以前にドキュメンタリーで見たことがあったのですが、この時代のオートマタとオルゴールは切っても切り離せない関係のようで。当時、電気を使わず音楽をループで奏でることができるのはオルゴールくらいしかなかったんでしょうね。
一体どういう仕組みで動いているのか想像もできない複雑な動きをゼンマイ一つで全てこなしてしまう機械人形と、それを彩るオルゴールの優しくて繊細な音色。今でもその様子を目の当たりにすると鳥肌が立つくらい。当時の貴族が夢中になったのもわかる気がする。
そこには短いけれど、確実に一つの小さな物語が存在していて。
それを成立させる役者の人形と、それを動かす裏方となるテクノロジー。その空間を旋律で彩る音楽。
オートマタの世界は、演劇って言ってもいい総合芸術なのかもしれないですね。
本当に貴重な体験をさせていただきました。
惜しむらくは…あの本物のオルゴールの音、レコーダーで録りたかった…!