たまには真面目にボイドラ編集の話をしてみる①
こんにちは。かおるです。
台風が過ぎ去ってからすっかり秋めいてきて、気が早いかなと思いつつ冬用布団を出してみたらちょうど良い塩梅なレベルの朝夕冷え込み。皆さん体調崩さないように気をつけてくださいね…!
近所で曼珠沙華が見られるようになってきて、その毒々しい姿にちょっとテンションが上がります。
さて、もう隠居モードであまり表立って作品を作ることもなくなってきたので、備忘録というか一度自分でも色々整理してみようと思い、何回かに分けて自分のボイドラ編集についてやや深めに振り返ってみようかなと思います。
あくまでド素人のかおるが個人的な好みでやっているので、本職のエンジニアの方々からしたら話にならないような内容だとは思いますが、ボイドラの編集やってる方であーこんな風にやってる人もいるのねっていう参考程度にでもなれば幸いです。
今回は、音の配置について。
かおるは基本的な音の定位や処理についてはテンプレート的に当てはめて作業にとっかかるので、その基本形についてつらつら書いてみます。
● 配置 ●
すっごい適当極まりないイメージ図で恐縮ですが(笑)、ハモスの「Signals」以降にかおるが編集させていただいてる作品は、ほぼ全てこの形が基本になっています。
実際、編集し始める際にも
モノラル1 / CV1セリフ
モノラル2 / CV1効果音
モノラル3 / CV2セリフ
モノラル4 / CV2効果音
ステレオ1 / BGM
ステレオ2 / 環境音1
ステレオ3 / 環境音2
この割り当てでテンプレートを作っていて、これに最初にざっくり音をはめてPANや音量も”大体これくらい”を先に入力してから編集を始めていきます。
【背景の環境音】
2種類の環境音を、やや左右に寄せた感じで配置します。
(屋外の場合、左側は交通音や喧騒が多めの遠景音、右側は木のざわめきが多めの郊外の音とか)
何か印象に残したい要素がある場合は、さらにポイントで音を追加したりもします。夏の夜ならカエルの鳴き声を単体で足したり、街の中なら人の雑踏の足音を重ねたりといった感じ。
オー プンな環境ならば、EQでうっすらで低域カットと高域のブーストをして、薄めにリバーブをかけることで空気感をつけて奥行を決めます。リバーブはアンビエ ンス系か、たまにプレート系。8割くらいはProTools標準のD-Verbのアンビエンスを使ってるんじゃないかと。
少し空間の広さを弄りたい時はステレオイメージャーで調整したりもしてます。
ちなみにボイドラ編集を始めた頃、まだ「常に背景で環境音だとか空気の音がしている」っていう作品はあまりなかった記憶があるのですが、かおるは初編集の作品から基本的に何かしらの音を鳴らしてます。
個 人的な好みの問題もあるとは思いますが、友人にも協力してもらって同じセリフを無音の中で聞くのと、何かしら一貫した音が鳴っている中で聞くのを比較する というような実験をやってみて、後者の方が感情移入しやすいという意見が多かったし、自分も環境音や音楽が鳴っている中でセリフを聞く方が言葉がより深く 感じられるような気がしました。関係ないかもしれないけど、連続聴効果だとか人の耳の特性だとか、何かしら理由があるのかもしれないですね。。。
逆に際立たせたいところを無音にしたりして強調するとかっていう演出的な実用性もあるので、環境音の活用はけっこうおすすめです。
【BGM】
図が適当すぎてものすごいイビツな形になっててすみません。笑
曲 を流す時、登場人物の声と曲がケンカしないように曲の1KHz前後の帯域をがっつり削って、代わりに低音を足してBGMの音量を上げるという処理を行うこ とが多いので、それをイメージに起こすとこんな感じかなと。曲の雰囲気によってはステレオイメージャーで広がりを弄ったりとか、とにかく「人物の声のまわ りをBGMでなるべくがっつり囲む」のが好みです。
かおるは選曲と曲の処理にけっこう手間をかけるので、これについてはまた別の機会に詳しく書いてみようと思います。大体、1曲をEQ処理や曲の展開別に5トラックくらいに分解して流します。
【CV】
背景は空気感を出そうとするわりに、セリフはかなり耳に近めが好みです。
処理に関してはほんと状況によりけりで一貫したナニカというのは無いですが、最近の傾向としてEQはあまり触らず、コンプレッサーとサチュレーション系のプラグインのキャラで音を調整するようになりました。
ただ、絶対的な好みとして「PANは左右30くらいしか振らない、なるべく固定」というのがあります。編集する前からPANは左右30 or 40くらいに適当に固定してしまって、どこかへ走り去ったりとかよほどの理由がない限りは動かしません。
定位を作りこむタイプの方に怒られるかもしれないですが、喋るときに左右に動かれると気が散るので、その場に立って話してほしいという…これは完全に好みです。笑
【効果音】←足音とか道具とか衣擦れとか、登場人物に関する効果音
あ くまで感覚の話になりますが、セリフよりもやや近い位置で、且つセリフの定位よりも若干内側で鳴らした方がよい結果になることが多いように思ってます。音 の種類や音質にもよるけど、セリフと全く同じ値の定位にすると少し外で鳴ってるような感じがします。たぶん、図の位置から”視点”ていう概念でみると、セ リフよりやや内側に定位させることでリスナーから直線上に効果音が位置すことになるので、より自然に馴染むようになるのかなと理解しています。
あと、ステレオとモノラルの使い分けについて。
編集するときのステレオとモノの使い分けは完全に決めてます。図にも入れてありますが、
【ステレオ】背景音、BGM
【モノラル】CV、効果音
になっています。
イメージとしては、背景音で状況と視界の広さを提示して、BGMでシーンの感情を提示する。
そのステレオ音源の枠の中で、定点の声と効果音でキャラクターが動く。
ステレオ音は包み込む舞台としての役目、モノラル音はその中で演じる役目という感じですね。
と、こんな感じで音を配置して、そっから何百回とプレイバックしながら音を詰めていきます。
続きはまた改めてー。