オリジナル音声ドラマ制作サークル「エコーテイル」のブログです。 http://echo-tail.net/

たまには真面目にボイドラ編集の話をしてみる ②

こんばんは。かおるです。

シルバーウィーク、みなさんどんな風に過ごされていますか?
お休みのみなさんはゆっくり羽休めを! お仕事のみなさんは…ほんとお疲れ様です…!!
かおるは今回全休をゲットできたので、止むを得ない用事がある時以外はここぞとばかりにPCの前で引きこもってます。ああ仕事行きたくなくなる。。。

さて、先日からつらつらと書き始めた、かおるが自分の編集についていろいろ振り返ってみる誰得シリーズ。
前回は音の配置について書きましたが、今回は実際に編集するときの流れを書き出してみました。無駄にgdgd長くなってますがご容赦ください。

◆編集トラックにセリフ音源を並べる
いただいたセリフ音源の切り出しや処理をしつつ、掛け合いの雰囲気を掴んでいきます。この時点ではほんと間も何も考えず、ただ並べただけの適当な状態。かおるはどんどん間が延びていく傾向が強いので、セリフとセリフの間はけっこう空白をあけて並べてます。

◆セリフを並べたら、前回ちらっと書いたテンプレートトラックにそれを投げ込んで、イメージに近い適当な環境音を当ててループさせます。
これで、再生したらとりあえずどこかの場所で誰かが話してるっていう最低限の音声ドラマ体裁が出来上がる感じですね。

自分でも不思議なんですが、ほんとかおるは掛け合いの背後で何かしら音が鳴ってないと何もイメージがわかないタイプの人間らしいです…汗

◆BGMストックの中から、イメージに合う曲をピックアップ
ドラマ編集用にストックしてある曲素材を一曲ずつ聴きながら、その作品で使えそうだったりイメージに近い曲を編集の曲素材フォルダにどんどん投げ込みます。この時点でなんか足りなくなりそうだなとか、ピンとこない場合は海外のクリエイティブコモンズ素材のサイトをまわってイメージに近い音楽を探したり、よくお世話になっている曲素材の販売メーカーの試聴をしまくって目星をつけておきます。たまにこの時点で「これしかない!!」ってビビッときたものは衝動買いで購入してしまうこともあったり…。

◆曲を大体ピックアップできたら、さっき作ったセリフと環境音だけのたたき台を再生しながら、音楽をあーでもないこーでもないと当ててみて、ほんと大雑把にですがどのシーンにどんな音楽を使うか考えます。
実際これで本チャンに使う曲が決まる場合もあるんですが、どちらかといえばかおるのテンション上げのための行為です。笑 シーンに曲を当てて試行錯誤してる時が一番楽しいです。

真面目なことを言うと、この時点で意識してやるのは「曲を当てるキッカケを探すこと」です。国語でいうところのキーセンテンスってやつでしょうか。それが大体、BGMの一番オイシイ入れ所や引き所になるので、それをとにかく探していくという感じ。
キッカケになりそうなセリフや場面の感情の変化が何処にどれくらい散りばめられているのか、一番盛り上げたい山場はどこか、そこへ向かってどういうテンションでもっていくか、どこで解決させるか…実際の掛け合いに音楽を当ててそれをシミュレーションしていると、全体としてどういうジャンルや雰囲気の音楽を使いたいのか、どれくらいのディテールや質感に作りこみたいのかっていうようなことが自己整理できてくるし、必要な曲数や必要な効果音なんかも把握できてくるので、そこまできたらようやっと本チャンの編集に入っていきます。
自分の場合、この工程をサボると後で大体まとまりがなくなったりボツにしてやり直したりすることが多いので、そういう意味では一番重要かもしらんです。。。

◆基準シーンを作る
全体で、一番編集しやすそうなシーンをちょっとだけ編集してみます。大体、音楽がしっくりきてほぼ確定と思われる場所を作ることが多いですね。
ここは、セリフと音楽の間や効果音、EQやコンプやリバーブなどのエフェクト処理、マスタートラックにかませるマキシマイザーまで全て本チャンのつもりで作りこみます。長さでいうと大体3~5分ぶんくらい作る感じ。
大体こんなもんかなーっていうところまで作ったら、その編集データを”基準シーン”にして保存します。で、かおるはProTools遣いなのでセッションという概念になりますが、この基準シーンのセッションをシーンの分だけコピーして作ります。(なので12シーンあるお話だと、編集した基準シーンと、そのほかはセリフと環境音だけセッションが12個作られるということですね)
何でそんなことをするかというと、このコピーしたセッションから各シーンを編集し始めることで、基準で決めた各トラックのパラメータを引き継いで別シーンを作り始めることができるから。
かおるは編集のトラック整理やエフェクトのパラメータ管理などがものすっっっごい苦手で適当なので、1つのシーンを仕上げる頃にはけっこうゴチャゴチャな状態になってしまうのです…。実際、昔は1つのセッションで全部のシーンを作ってたんですが、ぼーっとエフェクトを動かしたら別のシーンですごく作りんだ重要なエフェクトだったと後で気がついて泣きをみたり…そういうことを頻繁にやってしまうので、基準をもとにシーン分コピーして都度別のセッションで編集するというやり方に落ち着きました。本当は設定のインポートやユーザプリセットにちゃんと保存すればいいだけの話だったり、たぶんもっといいやり方があると思います…教えてプリーズ…orz
まあ、途中で壁に当たって初心に返りたときにすぐに基準トラックが聴けるっていう利便性はあるのでそういう意味では便利です。

ちなみにドラマ全体の音量基準ですが、これはほんと人によって千差万別だと思うので編集者のみなさんにインタビューして回りたいですね。笑
かおるはリファレンスとして、水蜜薫「鳥籠乙女」、空色絵本さんの「惑星から」、GARNET CROWの「Float World」の音源をインポートとして、基準トラックとそれらの音源を比較しながらその時の気分で決めてます。リファレンスの音源チョイスにあんまり深い意味はありません…しいて言えば自分の中で一番安定していた頃の作品と、好きな曲です。
あ、ただハモスの夜間漂流や環蝕だったり、他のサークルさんでテーマソングが決まってる!という場合は、その音源と同じレベルに調整するようにしています。ドラマが終って音楽にそのまま気持ちよく入っていくレベルに合わせる感じですね。

◆ここから先は、頭から順番にチマチマと作っていきます。たぶん他の編集者の皆さんと同じような感じでひたすら再生ストップ連打しながら時々発狂しそうになりつつ進めていきます。。。

で、とりあえず最後まで行き着いたら。

ここからは時間の余裕があるか無いかにもよるけど、最終の調整はいろんなヘッドホンやイヤホンやプレーヤーの組み合わせで通し聞きして、気になるところをひたすら潰していきます。
ヘッドホンは普段編集で使っているソニーのアレ(900ST)の他に、2000円クラスのものをメーカー違いで3つ、あとイヤホンもテスト用に3本。それをiPodとかラジカセとかPCとかでとっかえひっかえしながらウーンって唸って補正ポイントを考えます。通勤時間の電車の中とかも良いチェック時間になりますね。
ほんと正解のない作業なんですが、自分の中の基準として「寝起きの違和感」っていうのを重視してます。夜寝て朝起きて、ちょっと意識がはっきりした頃にイヤホンを耳に突っ込んで、さあ再生する!っていう前に、自分がこれくらいの音のバランスで調整したはず…っていうのを脳内再生してから、実際に再生して音を聴いてみる。そうするとどこか違和感が発生するので、それを帰宅してから調整して潰す。そんで翌朝また同じことをする…っていうのを繰り返す。そうするとだんだん脳内再生と実際の再生音の違和感の差が小さくなってくるので、これをなるべく違和感なくなるまで繰り返して微調整していくという感じです。

大体、編集終わるのなんてイベント直前の修羅場なのでそこまで調整できた作品は限られてますけどね…!!

そういった何やかんやを経て、ようやっと音源が出来上がります。

次回は効果音のつけ方とかエフェクト処理とかもーちょっと具体的なこと書いてみようかなと思います。。。

関連記事