オリジナル音声ドラマ制作サークル「エコーテイル」のブログです。 http://echo-tail.net/

かおる的・2018年に買ったり導入してよかったと思ったもの。

あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願い致します。

昨年末に更新しようと思って間に合わなかったので年始更新。2018年の下半期はなんかずっと機材のこと呟きおじさんになっていたので、そんな中で結局何が良きモノだったのかなと思い返してみたことを書きなぐります。多分参考にはならないと思いますが、もしも何かのお役に立てば幸いです。

‐ 買ってよかったもの① M-TANK,INC「KLANG2」

7月の朗読ライブ用に購入したiPad用のポン出しアプリ。

当初は音楽と効果音出しは全部Ableton Liveを使ってやろうと思ってたんですが、映像を出したり制御用でPC台数が足りなくなってしまったので急遽導入することに。同じ系統のアプリを4つほど試して、一番使いやすかったのがこのKLANG2でした。

操作は単純明快。iTunesからライブラリを取り込んで、アプリ上のパッドに自由にアサインして叩くだけ。波形編集や叩き方も一通り基本的なモードが揃っていて、パッド画面とミキサー画面も一瞬で切り替えられるのでとても使い勝手が良かった! BOSSやAKAIのサンプラーに慣れてる人なら10分もあれば使いこなせるシンプルさ。特に自分はBOSSのSP-505を長いこと使っていて、その操作感にすごく近かったのでめちゃ使いやすかったです。動作の安定性も、稽古から本番まで一度もフリーズすることもなくノートラブル。結局、本番でもミキサーのフェーダーは殆ど使わずKLANG2上のミキサーで調整していたので、簡単なオペならこれ1つあれば大体のことはできるという感じです。

強いて弱点をいうならば、取り込みがiTunes経由のみなのでちょっとめんどかったり、作成したプリセットライブラリの並べ順を換えられなかったりっていう細かな使い勝手の部分で不便さはありましたが、逆にそれくらいしか弱点が思いつきませんでした。iOSアプリとしては1400円ほどするのでちょっとお高いですが、ハードウェアサンプラーを買うよりは全然お得なのでお芝居やニコ生なんかでポン出しする機会がある方はぜひ候補に入れてみてはいかがでしょうか。

‐ 買ってよかったもの② 折りたたみPCスタンド

これも朗読ライブ用に買ったもの。

オペブースがけっこう狭くて、しかもミキサーの横に色々並べると操作しづらい状況だったので「ミキサーの真上にPCを置けるものないかな」と思って行き着いたのがコレ。一般的な16chミキサーの横幅と大体同じで、すごく理想的なスタンドでした。角度変更も簡単にできるし、小型PCとタブレットくらいなら余裕で乗るのでめちゃめちゃオペしやすくて快適。プラ製だから軽いし、折りたためば厚さ3cmくらいになるから機材ボックスの隅に突っ込めば殆ど邪魔にならない。舞台を現役でやってた時にこれがあったらどんだけ便利だったか。。。

劇場主さんも「これいいですねー」って仰っていたのでそのうち導入されてる…かも…。笑

‐ 買ってよかったもの③ KUSH Audio 「OMEGA Transformer Model 458A」

ネット上で高評価がたくさん出ていたので購入したプラグイン。セールの時だったので2000円ちょいでした。

ハードウェア機材の音質の核になる部品の一つであるトランスフォーマーの音質変化をシミュレートしたプラグイン。操作するのはでっかいツマミ1つだけというシンプルさ。

効果ですが、とにかく「アナログ感が出る」っていう一言に付きます。ツマミを4割くらいまで上げると、インターフェースから一度アナログで出力した音を別のハードウェアを通して戻してきたときの質感がそのまま出てる!!っていうのが第一印象。音がいい感じに滲みつつ締まるというか、刺々しいものが少し丸みを帯びてすごく触り心地が良くなるというか。そんな感じの質感にかなり感動しました。弄る音の種類にもよりますが、使わないセッションはないくらいに気に入っています。

KUSH Audioのことはこのプラグインで初めて知ったんですが、ハードウェア機材も作ってるんですね。以前は日本でも代理店をしていたところがあったみたいだけど、今はもう国内流通はしていないようで…ハードウェアの音も聴いてみたい。

‐ 買ってよかったもの④ AMATERASのトランスボックス

上記のKushにあまりに感動して一時期トランスがマイブームになり、ハードウェアのトランスボックスに手を出し始めました。大体がピュアオーディオ用の機材ばかりの中、音楽制作用のトランスの定番といえばAMATERASということでちょうどいい感じの中古が出ていたので購入。中身はルンダールタイプのやつです。

純粋にトランスを通すだけなので、やることはオーディオIFから出力した音をこいつにぶっこんで、出力された音をオーディオIFにREC。サミングボックスと一緒ですね。蓋開けて中を見てみましたが、ほんとにプラグからそのままトランスに入って出てくるだけの超がつくほどシンプルな作りでした。

とりあえず、びっくりするくらい音が締まります。一気に倍音が付加されてきらびやかになって戻ってくる感じ。これを通したあとだとコンプとEQの効きがいつもより体感3割増しでキレっキレ。

去年のマスタリングはこれとあと2つのトランスボックスが質感調整に大活躍しました。ただ、けっこう劇薬的な感じもあって良くも悪くもこいつの音になってしまったり、突っ込むレベル量によってかなり雰囲気が変わったりもするので、これからもっと使い所を研究してみたいところです。

トランスはほんと沼。KUSHとか気軽に導入できるプラグインタイプのものを使ってみて「これいい!」ってなったらちょっとずつ手を広げてみると面白いと思います。あえて安いトランスボックス買って色付けしてみたりしてもいいかもですね。

因みにこれを買う直前、マニアやエンジニアなら喉から手が出るほど欲しいと思われるマリンエアのステレオトランスボックスが某所に出品されていて、いいなーダメ元で入札してみようかなーと思った瞬間にものすごい高額に設定されていた即決価格で取引が瞬殺終了していました。やっぱり人気あるんですね…。

‐  買ってよかったもの⑤ CAD「GXL2200BP」

鏡面仕上げのギンギラマイク。マイクをセッティングするともうボディに指紋付きまくりです。標準付属品で本体を磨くためのクロスがついてきます。笑 どうしてこのボディ処理にしたよ…。

アウトレットで7000円くらいで購入。生産終了になったのでもうちょっとしたら出回らなくなるかも。

これ、巷のレビューではあんまり評価は芳しくなかったり(実際、作りもちょっとチープ…)そもそも注目されるような目玉があるマイクではないんですが、僕はすごい好きです。系統でいうとRODEのNT-1Aみたく高域に癖があるキャラクター。でも耳に刺さるチリチリした感じじゃなく、耳触りのいいシルキーな質感で、原音忠実ではないけど録り音そのままでもオケや効果音に馴染みやすい、独特の不思議な色気を感じました。

特に女性の声だとハマればものすごくいい雰囲気の音になります。ウィスパーとかで使っても気持ちよさそう。昨年歌録りをお手伝いさせてもらったいくつかの曲では、オーテクのAT4050とどっちを使うか比較した結果こっちを使用したことがありました。

今後たぶん存在が忘れられていく運命にあると思うので、もし飲み代程度で買えるくらいの投げ売りをみかけたらバリエーションの1つとして手にとってみてもいいのでは?と思います。

他にも2018年はかなり機材を入れ替えたり導入したりで、制作環境が変わりました。ガンガン使い込んで遊んでいこうと思います!

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