オリジナル音声ドラマ制作サークル「エコーテイル」のブログです。 http://echo-tail.net/

モニターをFOCAL Shape40に乗り換えました。

年始にTwitterの「今年欲しいもの」で呟いてたアレです。

納品が1~2カ月待ちとかになってるしなんか安くなった時でいいかーとか思ってたら、使わなくなった機材が予想以上に良い額で引き取っていただけて予算が確保できたタイミングで、ちょうど特価品で出てるのを発見。どうせもう売れてるだろうなーと思いつつダメ元で問い合わせてみたら「まだギリギリ残ってます!」というお返事だったので思い切って導入しました。

一番大事な音の出口だから、替えるなら早い方がよいしね。。。

というわけで、まだそんな長く使ってないですが簡単にインプレッションなど書いてみたいと思います。

ー 選定理由。

これまでは10年以上前に買ったFOSTEXのNF01Aを使っていて、少し前にマスタリング用にEclipse TD-M1を入れてから併用していたという環境。特別不満はなかったんですが、ちょっと低域が弱くて見えづらいのと、例によって部屋のレイアウト上あんまり壁から離せないのでボヤけてる感じがあるなぁという問題は認識していました。あと、できればスピーカースタンドを使わずデスクに置けるようにしたいっていう希望もあり、条件としては

・出力は30W前後で十分

・NF01Aより低域がみえやすい。且つできれば細かく調整できる本体内蔵EQがあるもの。(Sonar WorksのReference4も入れたんだけど元で調整できるならその方がよいと思うので)

・TD-M1は空間表現力が高すぎて逆にやりづらいことがあるので、もう少し良い意味で淡泊なスッキリさのある音だといい。

・卓上におけるサイズにしたいので、ツラの大きさはB5用紙サイズくらい。

・XLR入力ができる

という感じの部分を考えながら探しました。

なんとなくいろんな機種を見ていた中で、最近パッシブラジエーター付きのスピーカー使ってる人多いなっていうのが気になっていて。その中で自分が好きなエンジニアさんが軒並み高評価していたのがFOCAL。直観的にこれかなというものあり、サイズ的にも一番ジャストだったShape40に決めました。

ー 実際に聴いてみた感想。そんなにたくさんの機種を聴いてきたわけではないので、主にNF01Aとの比較で。

一発目に聴いたときの印象は、正直思ったほど「すげぇ!!」っていうような感動はありませんでした。でも明らかに低域から高域までバランス良くしっかりと出ているのが体感できて、これはめちゃめちゃ良いスピーカーだなっていうのは素人視点でも十二分に分かります。

そこからいろんな曲を音量を変えながら聴いてみて、だんだんその凄さが分かってきました。

・音量を変えても印象が変わらない

いろんなレビューで言われていることですが、これが一番驚いたところ。夜中にリスニング用として再生するくらいのかなり小さな音量でも、中~高域だけがシャリシャリ鳴ってるっていう感じが全く無い。センターでキックが踏まれてる空気感がちゃんとわかる。ベースのアタックや音のエッジもちゃんとわかる。もちろん音量を上げるとそのままの印象で大きくなるし、下げても同様。これはNF01Aでは体感できない感覚でした。

・壁との距離で印象が変わりづらい

これも実際試してみましたが本当でした。バスレフとかパッシブラジエーターの構造をあんまり理解していないのでどういう理論なのかは全然わかりませんが、置き位置をちょこちょこ変えてみても印象はほぼ同じ。これは宅録ユーザには恩恵がすごく高いのではないでしょうか。

・とにかくバランスがよくて聞き疲れしない質感

NF01Aもかなりフラット傾向と言われているスピーカーですが、色付けが無いゆえに長時間作業しているとちょっとつまらないというか疲れやすいタイプの音かなと思っていて。その点、Shape40はフラットさがありつつも適度にリスニング的な質感も持っている感じがあって、長く作業していても疲れなさそうです。このあたりは使っていくうちに音がこなれてきたらまた変わってくると思うので、どのように変化していくのかしばらく様子を見てみたいところです。

・スピーカーの足が高さ調整できるのが超便利

これ重要。

因みにTD-M1と併用した場合ですが、Shape40は”空間表現、奥行き感”はそこまで能力が高いというわけではない印象。でもこれはTD-M1が凄すぎるだけで、そこらのモニターに比べれば表現力は相当高いレベルだと思います。空間をみるTD-M1に対して、良い意味で音をタイトな「面」で判断できるShape40という感じで、欲しかった音がバッチリ聴ける体制になって大満足です。

今の所弱点らしき弱点が全然見つからないですが、Shape40本体のマスターボリュームがあるとさらに嬉しかったかなというのはちょっと思いました。ただ、マスター固定ということは左右のマスターボリュームをミリ単位で調整するっていう作業が不要で安心できるので、それはそれでメリットかもしれません。

というわけでShape40、たまにネットで持ち上げられすぎっていうアンチ意見もありますが、これは本当に良いスピーカーだと思います。ちょうど今日、少しずつ在庫が復活したというニュースを見かけましたが、あまりがっつり量産するタイプのメーカーではないみたいでまた売り切れる可能性もあるので、もし楽器店で見かけたら試聴してみてはいかがでしょうか。

とりあえず、予定していた制作環境の改造計画もほぼこれにて完了。しばらく機材のアレコレばかりを弄って肝心の音を弄るところから離れていたので、春に向けてどんどん動いていきますよ!

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