オリジナル音声ドラマ制作サークル「エコーテイル」のブログです。 http://echo-tail.net/

トークバックマイク用のフットスイッチを自作してみた話。

2019.10.19

いきなり寒くなりすぎて、秋はほんとどこに行ったんだろうという感じ。
皆様、体調を崩されたりしていませんか?

さて、前回更新でM3参加作品の宣伝をさせていただきました。ほんとまだまだ至らないことたくさんの身分なのに、色々やらせていただいて感謝しかない。。。
今回は初夏の頃合いに集中してボーカルレコーディングを行ってきたのですが、この機会にとアンブレラカンパニー様が紹介されていたトークバックマイク用のフットスイッチを自作してみましたので、使用感などをつらつらと書いておこうと思います。

普段よく使わせてもらっているセルフレコーディングスタジオは、コントロールルームとボーカルブースが分割されているタイプの部屋。なのでブースにいるボーカルさんと話すためにトークバックマイクを持ち込んでいます。
今回作成したのは、そのトークバックマイクのスイッチを足でON/OFFできるようにするためのフットスイッチです。
(スイッチを踏んでいる間だけONになる)

トークバック用に使っているマイクはヤフオクで1000円で落札したページングマイク。(ほぼ新品!需要ないのかな…)
スイッチはそのまま押すとプッシュ時のみマイクON、押して奥へ滑らせるとON固定になります。

現地にもモニタコントローラがあって、本体にトークバックマイク内蔵してるんですけどね。
レイアウト上かなり使いづらい位置にあるので使っていません。
なら買ったマイク自体にもスイッチ付いてるんだからそれ使えばええやん、と言われればその通りなのですが。
歌録りのときは大体自分ひとりでProToolsのオペレーションをしつつディレクションしているので、両手は常時けっこう忙しいのです。
(1フレーズ録音→録音したリージョンの処理をしつつ歌詞カードに書き込みをしながらディレクションする→すぐに次テイク これを延々ループ)
その結果、トークバックマイクのスイッチをONにせず喋ってしまい「おーはらさんが遠い!!」って言われてしまったり、OFFにするのを忘れるということがわりとよくあります。
かおるの処理能力が低いというのが一番の原因というのは置いといて…ならばもう自由に使える足を使おう、ということを思い立ったわけです。

これ、当初は何かよい製品があれば買うつもりでした。でも探してみると意外に無い。
特に「XLR入出力ができて」「踏んでる間だけON」というのは特注品でもないかぎり存在しないのでは…という感じ。あってもたぶんスタジオユース用だと思うのでめちゃ高い。

そんな中、色々調べているうちにハイエンドレコーディング機器の販売やカスタムでお馴染みのアンブレラカンパニー様がこんな記事を掲載されているのを拝見。

まさにこれやん!!! 材料費もお手頃。
ハンダ付けもケーブル作るのと変わらんから、これなら自分でも作れそうということで早速部材を注文しました。

【材料】
スイッチケース
フットスイッチ
XLR端子(オス、メス各1)
ケーブル(今回は手元の余り物で済ませましたが、太すぎてブッシングがつかないのでアンブレラカンパニー様が勧めているケーブルで作成することをおすすめします)
送料も合わせて合計5000円くらい。

キモはこのスイッチですね。踏んでる間だけHOT回線が短絡されて音が出なくなる。
そして踏んだときにエフェクターのような「カチカチ」という切り替えクリック感が無くスムーズに踏める。
少しクリック感のあるものなら新品で供給されているようですが、この完全にクリック感のないタイプはデッドストックしかないという記載があったので、この仕様に物って本当に少ないんでしょうね。
自分も今回のような用途意外では使いどころが思いつきません。。。

スイッチケースをあけて、元のスイッチと配線を取り除きます。
この元スイッチはコンパクトエフェクターと同じように踏むたびカチカチとON/OFFが切り替わるタイプ

スイッチを新たに購入したものに付け替え、ケーブルをネジで締め込み、入出力側にXLR端子をつけて完成。作業時間1時間くらい。簡単!

実際使ってみての感想は、「めっっっっっちゃ楽!!!」これに尽きます。
足で済むようにしただけでこんなに楽になるとは。
おかげさまでレコーディング中に「遠い!」って言われる回数が激減しました。
これはほんと作ってよかったです。

因みに同じような足技オプション製品で、iPad等で楽譜見る人が足でめくりをできるようにしたBluetooth接続のフットスイッチもあります。
https://hookup.co.jp/products/ik-multimedia/irig-blueturn

また、PC用のUSB接続フットスイッチもいくつか発売されていたりもします。
http://route-r.co.jp/?p=3121
レースゲーム用のペダルコントローラではなくキーボードとして認識されるタイプのスイッチ。
録音音声の文字起こしのバイトをしている知り合いは、これをPCのプレイヤーの巻き戻し/再生/早送りにアサインして使っていて、両手はキーボードから離さず音源を操作できるからマジ便利!効率2倍どころじゃない!と言っていました。笑
あまり馴染みがないだけで、足を使うというのは意外と色々使えるのかもしれないですね。

こんなニッチ需要に応える貴重なレシピを公開してくださっているアンブレラカンパニー様には本当に感謝です。
音声端子のハンダ付け作成ができるレベルの方なら簡単に作成できますので、もし同じような用途でお困りのはぜひ試してみてくださいね。

関連記事